第二十夜:「空気まで撮れる」レンズ。見えないものを撮るということ

CONTAX G2 / Carl Zeiss Planar 2/45 T*CONTAX G2 / Carl Zeiss Planar 2/45 T*

世にあるレンズの中には「空気まで写る」とか「空気さえも撮れる」と言われているレンズがあります。

たとえば、Carl Zeissのプラナーや、ERNST LEITZのズミクロンとか。

ただ、空気は無色透明なので見えるわけがなく、写真に撮れるわけがないですよね。じゃあなんで、プラナーやズミクロンは、「空気まで写る」と言われているんでしょうか。

空気は無色透明だから、その存在は目で見て識別できません。なのに、「空気まで撮れる」と言っている人たちは、その写真に一体なにを見ているんでしょうか。

空気の分子?

違いますよね。

水は見えます。正確には水の表面なんですけど。

空気も水の中であれば泡として見ることができますよね。正確には空気と水の境界面なんですけど。

無色で完全にムラのないものは、見えないということになりそうですね。見える手がかりがないとも言えます。

CONTAX G2, Carl Zeiss PlanarCONTAX G2, Carl Zeiss Planar 2/45 T*, Kodak Portra 400

じゃあ、目に入っていても見えないとしたら。見えても見つからないと言ったほうがいいかもしれません。

写真をはじめたばかりの時は、見えるものしか見えていませんでした。目に見えるものがすべてというか、まるで探しものをするかのように、頭の中のイメージを目で見た実像に重ねて、合っているかどうか調べるというか。

世の中には、見えるものと見えないものがあります。

Praktica MTL5B,SMC Takumar 55mm F1.8Praktica MTL5B,SMC Takumar  55mm F1.8

見えないものを見えるようにするのが写真で、見えても見つからないものを撮影するのもまた、写真だということではないかなと思うんです。

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